腸内フローラ移植って何?
「腸内フローラ移植」とは、崩れてしまった腸内細菌のバランスを整えることを目的として健康な人の腸内細菌(腸内フローラ)を移植するという治療法です。
私も最初に聞いたときには驚いたのですが、身近に潰瘍性大腸炎という腸の病気を患っている人間がいたため知りました。腸内フローラ移植は一つの治療法として挙げられるそうです。
学名は英語だとFecal Microbiota Transplantation(FMT)と言われるそうです。
日本語だとわりと直接的なので、お食事中の方も読まれているかもしれませんのでちょっと伏せておきますね。
現代日本人の腸内フローラは、食事の欧米化やストレス、さらには外科手術事の抗生物質の多用などで腸乱れてしまっているそうです。
また、最近になって遺伝子解析技術が進歩したことで腸内フローラの乱れによって引き起こされる様々な疾患・症状がわかってきたのだそうです。
そこで、乱れてしまった腸内フローラを整える方法として、移植という選択肢が出てきたのです。
腸内フローラ移植 腸内細菌のバランスが原因と研究されている症状は?
腸内フローラのバランスの乱れが関わっていると最近の研究からわかったのは、以下のような病気や症状だそうです。
まずは腸の病気である潰瘍性大腸炎やクローン病(これについては日本でも腸内フローラ移植の臨床治験が始まっています)。
加えて頑固な便秘症、過敏性腸症候群などの腸にかかわる症状です。
さらに、一見は腸とは関係ないように思えますが、糖尿病、肥満などやアレルギー疾患や一部の精神疾患も腸内細菌のバランスの乱れが関わっていると研究されています。
腸内フローラ移植 誰でも出来るの?
実は腸内フローラ移植はまだ治験中だそうで、健康保険の適用ではありません。
また、この腸内フローラ移植、「移植」というからにはドナーの存在が大前提にあるわけです。しかもドナーの腸内フローラが移植に適した状態になければいけません。つまり腸内フローラが一定の基準をクリアした安全で健康なドナーからの移植を受ける必要があるのでその管理費用もかかります。
また、治療対象の疾病だとしても、移植を受ける側の状態によっては移植が出来ない場合もあるそうで、医療機関に相談の上で、ということになります。
腸内フローラ移植 日本での実施状況は?
この腸内フローラ移植ですが、アメリカではドナーバンクが運営されるなど(ただし対象疾患は限定されている)、欧米では実施が進んでいます。
日本では2013年に各地の大学病院などで潰瘍性大腸炎とクローン病についての臨床治験が始まり、現在は国内の大学病院を含む複数の施設で臨床治験が行われています。
腸内フローラ移植 受けられるとしたら費用は? 何回必要なの?
今のところ、腸内フローラ移植は自費診療だそうで、健康保険の適用がありません。
また、1回で終わるものではなく、疾病や状態、罹患期間によって移植回数・頻度などが変わるそうで一概に費用が算出できません。
ただ、都内の医療機関の一例では、6回セットで150万円以上となっていました。
腸内フローラの移植の施術自体は数分らしいので、早く健康保険の適用になって値段が下がって必要な人が受けられるといいですね。
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